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♠自己破産のデメリット
一般的には自己破産のデメリットとして下記のように言われています。
♠自己破産のデメリット 連帯保証人に迷惑がかかる。
♠自己破産のデメリット 官報に記載される。「法令・告示・予算・人事など」、国が発行する唯一の法令公布の機関紙(国の広報紙・国民の公告紙)である官報に、自己破産者の「氏名・住所・自己破産手続きをした日時・裁判所など」が記載されます。(破産法第32条) ♠自己破産のデメリット 破産情報が信用情報機関に登録される(ブラックリスト)自己破産者本人はクレジットカードをつくることができず、クレジットを利用することができなくなります。また同居家族の与信にも影響が出ることもあります。 ♠自己破産のデメリット 免責にならない場合、債権者からの給与の差押えられる可能性もあり、勤務先に自己破産の事実が知られます。
♠自己破産のデメリット 破産手続開始決定が確定すると裁判所から破産者の本籍地の市区町村役場にその旨が通知されて破産者名簿に記載される。市区町村発行の身分証明書には自己破産の記録が記載されます。 ♠自己破産のデメリット 住所の移転と旅行の制限破産管財人が選任された場合は、債務者の財産を換価処分し、各債権者に配当しますので、「手続きの迅速化・債務者の逃亡・財産の隠蔽」などを防止するために、破産手続きが終了するまは裁判所の許可なくして「住所の移転)」「長期間の旅行」はできないことになります。(破産法第37条、破産法第38条) ♠自己破産のデメリット 自己破産をして免責を得ると、その後7年間は自己破産することができません。 ♠自己破産のデメリット職業や資格の制限を受ける自己破産するには、破産手続開始決定が下りた後、免責許可の決定が下りるまでの間(数ヶ月間)は、「公法上・私法上の制限」を受け、いくつかの職業には就けず、資格も制限されることとなります。弁護士(弁護士法7条)、公証人(公証14条)、公認会計士(公認会計士法第4条)、㈱会社取締役(会社法330条、民法653条)、その他 ♠自己破産のデメリット 不動産を手放す。マンション、不動産(土地・マイホーム・別荘など)を所有している場合には、換価するほどの財産があると見なされますので、強制的にその不動産を処分し、現金に変えて、各債権者に配当されるのです。 ♠自己破産のデメリット破産管財人によって郵便物が管理される。破産管財人が選任されて、管財事件になった場合は、自己破産者の財産は破産管財人が管理することとなります。(破産法第81条) |
自己破産の流れ
自己破産手続きの流れ(破産者にめぼしい財産がない場合)を記しておきます。
自己破産の流れ破産の申し立て(破産法第18条) ⇓ 住民票 ⇓ 自己破産の流れ破産手続き開始申し立て等の審査(破産法第21条) ⇓ 自己破産の流れ破産宣告及び同時廃止の決定(同時廃止破産法第216条) ⇓ 自己破産の流れ官報への公告(破産手続き開始決定の公告破産法第32条) ⇓ 自己破産の流れ破産手続き開始の決定 ⇓ 自己破産の流れ免責の申し立て破産法第248条(免責許可要件破産法第252条) ⇓ 自己破産の流れ免責についての調査・報告(破産法第250条、251条) ⇓ 自己破産の流れ免責の決定(破産法第252条) ⇓ 自己破産の流れ免責の確定 |
自己破産の注意点
マンション、土地建物、不動産を所有している場合、原則として管財事件となり、裁判所に予納金+弁護士費用がかかります。ところが、マンション、土地建物、不動産を売却して財産の無い状況になれば同時廃止となり予納金も3万円程度で済みます。
任意売却してから自己破産を勧める理由はそこにあるわけです。
しかし、任意売却してから自己破産する場合に、注意しておかなければならないことがあります。たとえば、マンションの相場が2000万円、ローンの残債が2000万円、それが何かの理由で1500万円で売買契約をしました。当然のことながら抵当権者の了承のもとです。
その後自己破産申請の手続きを弁護士に依頼し、裁判所に自己破産申請をしましたが、自己破産申請直前に特定の債権者だけに返済した不動産取引があったということで、「少額管財事件」扱いになります。
当然、管財人が選任され、その管財人が調査した結果、取引が不自然で、マンションの売買に詐害行為又は、偏頗(へんぱ)行為があるとして免責されない。などということになりかねません。
尚、担保残債額が不動産評価額の約1.5倍以上(目安です)であれば東京地裁は、同時廃止とするとされていますので、問題のある取引になる可能性は少なくなります。
せっかく自己破産しても免責されない、などということが無いようにしなければなりません。
少額管財事件(東京地裁など一部の裁判所のみ扱う)
管財事件は期間も長期に渡ること、費用(予納金最低50万円)もかかり、債務者の負担が大きいのです。そこで、破産管財人の調査により、管財事件が短期間で終わる見込みがある場合、費用をかけず、手続きを迅速に行うためにこの制度が広く行われています。
・予納金最低20万円
・期間短縮 ・代理人(弁護士)が申し立てする。 少額管財事件となる要件
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債務者が破産した場合、借金(債権)はどうなるのでしょうか。
債務者が破産し、免責されれば弁済を免れます。そうすると、債権者は保証人に請求することになります。
債務者が死亡した場合、債務はその相続人に相続されます。相続人が弁済しなければ、保証人に請求がきます。また、相続放棄となれば、国の管理となり(国が債権者となります)、保証人の保証債務も残ります。
債権者の破産
債権者が破産すると、その債権は破産財団に組み入れられます、破産管財人により債権が回収され、破産者(この場合は債権者)の債権者に配当されます。その場合、債務者に弁済を求められます。弁済出来ない場合は保証人に請求がきます。
債権者が死亡した場合、その債権は相続人が相続します。相続人がいない場合、国が相続します。したがって、債務者は、債権者の相続人(あるいは国)に弁済する必要があります。債務者が弁済できない場合は、保証人が弁済しなければなりません。
破産しても免責にならない「非免責債権」
自己破産して、免責を受けると債務の弁済義務を免れることになりますが、全て免責される訳ではありませんので注意しなければなりません。免責許可の決定効力(破産法第253条)
租税等の請求権
・破産者が故意または重大な過失により加えた人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権
・婚姻・養育費等 ・破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権 ・罰金等の請求権 |
これらの債権は、「非免責債権」と呼ばれ
免責の対象外となっていますので、自己破産をした後でも支払い義務は残ります。
自己破産は救済になるのか
誰でもそうですが、破産すべきか否か、大変苦しい選択をしなければならない局面では、「早く借金から逃れたい」、「すべてリセットしたい」、「早く解放されたい」、一度そのような気持ちになりますと、今すぐにでもすべてを投げ出したいと思うものです。
しかし、ちょっと待ってください。
法的な整理・公正な手続きで社会的弱者が救済されるのであればよいのですが、過去の取ってきた日本の政策は、大企業、特に銀行救済のためのものであり、強気を助け、弱気を挫くものでした。
政策は銀行救済目的、庶民の味方になるべき弁護士は”経済的合理性”を追及してお金儲けに勤しむ、法の番人である裁判官はどうでしょうか、裁判制度が公正、公平な弱者救済のジャッジが出来るシステムになっているのでしょうか。
法の名のもとに”財産はすべて供出し、白日の下にさらされ、寒風の中、外に放り出される”それが自己破産なのではないでしょうか。
長く生きていれば、何十年に渡り積み上げたもの、地縁、血縁、地位、名誉、プライド、その他もろもろそのほとんどを失います。
一度でも失敗のレッテルが張られますと再起、再興は大変厳しくなります。アメリカでは破産した人が再起して事業を再興しているケースは約50%ですが、日本では約10%程度です。
中小零細企業が事業を行う場合、当然に社長本人、親族、友人等が連帯保証していることがほとんどです。
法的整理では、債権者平等の原則がありますので、配当金は債権額に応じて配分されますがこれが問題なのです。今までに大変言世話になった方や、取引先、どうしても不義理をしたくない方々と、どうでもよい銀行、そして逆に迷惑をかけられた者たちと、同等に扱わなければならないことになります。手心は一切加えることはできません。平等、聞こえは良いのですが人の情けに反しているのです。
近い将来再起再興の計画があれば、協力者になるであろう人たちに、ならば手厚く返済したい、それが人情だと思います。
破産をしますと借金から解放されホットします。しかし、それはつかの間。つぎに訪れる空虚感、孤独感にさいなまれます。
権利関係が複雑で、街金融やサラ金、など銀行以外にも多くの借り入れなどがある場合は、自己破産やむなしの場合もあるでしょう。
最悪の状況は、負の要素(離婚、家庭不和、病気等)が重なる度合いで高まるとされています。
そうならないがための予防線はしっかり張らなければならないのです。
メールによる相談は有料です。
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