任意売却の相談は任意売却相談室へ!任意売却の相談を受け付けています。 住宅ローン延滞・滞納・破綻、自己破産、競売通知が来た、等のお悩みはぜひご相談ください。

区分所有法1

  • HOME »
  • 区分所有法1



スポンサードリンク



区分所有法1

区分所有法第1条(建物の区分所有)区分所有法第2条(定義)区分所有法第3条(区分所有者の団体)区分所有法第4条(共用部分)区分所有法第5条(規約による建物の敷地)区分所有法第6条(区分所有者の権利義務等)区分所有法7条1項(先取り特権)区分所有法8条(特定承継人の責任)区分所有法9条(建物の設置または保存の瑕疵に関する推定)区分所有法10条(区分所有権売り渡し請求権)区分所有法第11条(共用部分の共有関係)区分所有法第12条・13条 (共用部分の使用)区分所有法第14条(共用部分の持分の割合)区分所有法第15条1項(共用部分の持ち分の処分)、区分所有法第16条(一部共用部分の管理)区分所有法第17条(共用部分の変更)区分所有法第18条(共用部分の管理)区分所有法第19条(共用部分の負担及び利益収取)区分所有法第20条(管理所有者の権限)区分所有法第21条(共用部分に関する規定の準用)区分所有法22条1項(敷地利用権の分離処分の禁止)区分所有法第23条(分離処分の無効の主張の制限)区分所有法24条(民法255条の適用除外)区分所有法第25条(選任及び解任)区分所有法第26条(権限)区分所有法第27条(管理所有)区分所有法第28条(委任の規定の準用)区分所有法第29条(区分所有者の責任等)区分所有法第30条(規約事項)区分所有法第31条(規約の設定、変更及び廃止)区分所有法第32条(公正証書による規約の設定)区分所有法第33条(規約の保管及び閲覧)区分所有法第34条(集会の招集)区分所有法第35条(招集の通知)区分所有法第36条(招集手続の省略)第37条(決議事項の制限)区分所有法第38条(議決権)第39条(議事)、区分所有法第40条(議決権行使者の指定)・第41条(議長)区分所有法第42条(議事録)区分所有法第43条(事務の報告)・第44条(占有者の意見陳述権)区分所有法 第45条(書面又は電磁的方法による決議)区分所有法第46条(規約及び集会の決議の効力)区分所有法第47条(管理組合法人成立等)区分所有法第48条(名称)・第48条の2(財産目録及び区分所有者名簿)区分所有法第49条(理事)区分所有法第50条(監事)区分所有法第51条(監事の代表権)・第52条(事務の執行)区分所有法第53条(区分所有者の責任)・第54条(特定承継人の責任)区分所有法第55条(解散)他区分所有法第56条(残余財産の帰属)他区分所有法57条1項(違反行為停止等の請求(裁判外))区分所有法58条1項(専有部分の使用禁止の請求)区分所有法第59条(区分所有権の競売請求)区分所有法60条1項(占有者に対する引き渡し請求)

区分所有法 第1条(建物の区分所有)

原則的に不動産は一物一権主義で、1棟の建物内の部屋のみを所有することは認められないことになっていますが、構造上区分され、独立して住居、店舗、事務所、倉庫等の用途に利用できる場合には、この区分所有法で、それぞれの区分された部屋を所有権の目的にすることが出来ます。この所有権は当然に発生するものではありませんので、表示登記において、区分所有の意思明確にされて初めて効力が生ずることになります。

 

条文関連判例
区分所有法が適用される時期は、マンションが完成し、各専有部分の表示登記が完了したときである。
(東京地裁 昭和51年5月13日)

 

条文

(建物の区分所有)

第一条  一棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものがあるときは、その各部分は、この法律の定めるところにより、それぞれ所有権の目的とすることができる。

スポンサードリンク

区分所有(マンション)法第2条 定義

マンションには個人の所有物として扱われる「専有部分」とそれ以外の共同で使う「共用部分」に分かれます。
マンションの専有部分とは区分所有権の目的となる部分を言います。要件としては以下の二つになります。

(専有部分とは)
①構造上の独立性
マンションは個人の住居等で所有しますので、最低限周囲と区分されていなければなりません。但し、壁など(シャッター可)で独立性が保たれ他の部分から分離され、範囲が明確であれば完全に周囲が遮蔽されている必要はありません。

②利用上の独立性
マンションの専有部分は独立して住居等の用途に供し得る必要があります。たとえば、独立の入口がなく、他人の部屋を通らないと入れないような場合など、利用上の独立性がないとされます。

 

(共用部分とは)

マンションの共用部分とは、階段や廊下などマンションの区分所有者が皆で使用する部分です。そしてマンション法定共用部分とマンション規約共用部分に分類されます。
①マンション法定共用部分
法律上当然に共用部分とされる部分です。
たとえば、廊下、階段、バルコニー、柱等
②マンション規約共用部分
当然に共用部分とされないものを規約で共用部分とした部分をいいます。
たとえば、集会室、管理人室、物置、車庫等

 

マンション標準管理規約共用部分の範囲として、
1 エントランスホール、廊下、階段、エレベーターホール、エレベーター室、共用トイレ、屋上、屋根、塔屋、ポンプ室、自家用電気室、機械室、受水槽室、高置水槽室、パイプスペース、メーターボックス(給湯器ボイラー等の設備を除く。)、内外壁、界壁、床スラブ、床、天井、柱、基礎部分、バルコニー等専有部分に属さない「建物の部分」

2 エレベーター設備、電気設備、給水設備、排水設備、消防・防災設備、インターネット通信設備、テレビ共同受信設備、オートロック設備、宅配ボックス、避雷設備、集合郵便受箱、各種の配線配管(給水管については、本管から各住戸メーターを含む部分、雑排水管及び汚水管については、配管継手及び立て管)等専有部分に属さない「建物の附属物」

3 管理事務室、管理用倉庫、清掃員控室、集会室、トランクルーム、倉庫及びそれらの附属物

と定められています。

 

(敷地利用権)
敷地利用権・・・マンションの専有部分を所有するために必要な敷地を利用する権利です。マンションの敷地には、土地の所有権に限らず、賃借権、地上権、使用貸借も含まれます。

マンションの敷地利用権の持ち分割合は、マンションの共用部分の持ち分割合と異なり、区分所有法には持ち分割合についての規定は無く、特に定めが無い場合は、民法の規定により、区分所有者平等の持ち分となります。

尚、マンションの敷地利用権が登記されると敷地権になります。

 

条文関連判例骨子

利用上・構造上の独立(マンション専有部分)は、隔壁等により独立し、物的支配に適する程度に他の部分と遮断され、その範囲が明確であればよく、必ずしも周囲のすべてが遮蔽されている必要はない。
(最高栽 昭和56年6月18日)

構造上の独立性は建物の用途との関係で相対的に判断される。
(最高裁 昭和56年6月18日)

マンション建物部分の一部に共用設備が設置されていても、その共用設備の使用及びマンション建物部分の排他的利用の妨げにならない場合には、共用設備があっても専有部分とされる。
(最高裁 昭和56年6月18日)

マンション専有部分の床下排水管が、コンクリートスラブの下に存する場合には、その点検等、修理が困難として法定共用部分とされた。
最高裁 平成12年 3月21日

 

条文
(定義)
第二条  この法律において「区分所有権」とは、前条に規定する建物の部分(第四条第二項の規定により共用部分とされたものを除く。)を目的とする所有権をいう。

2  この法律において「区分所有者」とは、区分所有権を有する者をいう。

3  この法律において「専有部分」とは、区分所有権の目的たる建物の部分をいう。

4  この法律において「共用部分」とは、専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物及び第四条第二項の規定により共用部分とされた附属の建物をいう。

5  この法律において「建物の敷地」とは、建物が所在する土地及び第五条第一項の規定により建物の敷地とされた土地をいう。

6  この法律において「敷地利用権」とは、専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利をいう。

 

区分所有(マンション)法第3条 区分所有者の団体

法人化されていないマンション管理組合は、「3条に定める団体」といわれたりもします。

マンション区分所有者の全員は、マンションの建物、敷地、附属施設を管理するための団体を構成(複数の区分所有者がいれば当然に成立)することになります。

この団体は区分所有法が定めによる、集会を開き、規約を定め管理者を置くことが出来るのです。

マンションにおいて一部の区分所有者の共有になっている「一部共用部分」を管理する場合の団体も作ることが出来ます。例えば1階が店舗、2階以上が住戸で構成される通称下駄ばきマンション等(複合用途型のマンション)における場合があります。一部共用部分の管理を行う管理組合と、全体の管理を行う管理組合とが重畳的に存在することになります。

 

条文関連判例骨子
マンション管理組合理事長の故意過失によりその任務を履行せず生じた管理組合の損害について、管理組合は債務不履行に基づく損害賠償請求は認められるが、マンション各区分所有者が個別に請求することは出来ない。

理事長の不法行為に基づく損害賠償請求は、マンション管理組合を原告として理事長に損害賠償請求することができるが、マンション各区分所有者が請求することは認められない。
(東京高裁 平成13年11月21日)

(区分所有者の団体)
第三条  区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。

一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな共用部分(以下「一部共用部分」という。)をそれらの区分所有者が管理するときも、同様とする。

 

区分所有(マンション)法 第4条(共用部分)

共用部分については第2条の定義で定められていますが、この第4条においては法定共用部分、規約共用部分が定められています。

マンションの敷地は共用部分であると一般的に思われていますが、区分所有法の共用部分はあくまで建物を規定しており(区分所有法の正式名は「建物の区分所有等に関する法律」です)、敷地は共用部分ではありません。

また、条文内の「附属の建物」とは、例えば、マンション敷地内に倉庫、ゴミ置き場などの建物をいいますが、よく勘違いするものが「建物の附属物」という語句もあります。たとえば、マンション建物内の電気配線とか、水道・ガスの配管などを指します。

この4条2項で定める、「第1条で定める建物の部分」とはマンション建物内で区分された部分となりますから、本来専有部分となる部分(法定共用部分ではない部分)は規約で定めることにより共用部分とすることが出来ます。例えば、マンション内の一室を集会室にする場合とか、管理室、倉庫等です。そして、規約共用部分であることを登記することで第3者に対抗できるとされています。

上記「附属の建物」についても同様です。

 

条文関連判例骨子
バルコニーは非常時の避難通路の機能を持たせていること、また、外部に向けて解放されていることから共用部分と解すべきである。
(最高裁 昭和50年4月10日)

バルコニーは、これに接する各戸の使用者の専用に供されるべき物で、共用に供されるべき建物部分とはいえないが、規約及び協定において、その機能維持、美観保持のために管理組合が管理するとしているので規約共用部分に該当する。
(横浜地裁 昭和60年9月26日)

 

(共用部分)
第四条  数個の専有部分に通ずる廊下又は階段室その他構造上区分所有者の全員又はその一部の共用に供されるべき建物の部分は、区分所有権の目的とならないものとする。

2  第一条に規定する建物の部分及び附属の建物は、規約により共用部分とすることができる。この場合には、その旨の登記をしなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。

 

区分所有法 第5条(規約による建物の敷地)

区分所有法は、建物の管理等に関する法律として定められていますが、マンション敷地又はその一体として管理する土地に関して「規約敷地」と規約に定めてマンションの管理と同様に管理できます。

マンションの建っている敷地は、法定敷地として当然にマンションの敷地となります。

また、マンションの建っている敷地以外でも、例えば、マンションの区分所有者が利用する駐車場、通路、家庭菜園等はマンションの「規約敷地」となります。

尚、この規約敷地は登記をすることで第3者に対抗できます。

 

条文

(規約による建物の敷地)
第五条  区分所有者が建物及び建物が所在する土地と一体として管理又は使用をする庭、通路その他の土地は、規約により建物の敷地とすることができる。

2  建物が所在する土地が建物の一部の滅失により建物が所在する土地以外の土地となつたときは、その土地は、前項の規定により規約で建物の敷地と定められたものとみなす。建物が所在する土地の一部が分割により建物が所在する土地以外の土地となつたときも、同様とする。

区分所有法 第6条(区分所有者の権利義務等)

この条文で表わされている「共同の利益」は判例等で多用される用語です。

社会通念上、我慢の限界を超えていることをマンション共同の利益に反する行為とされています。具体的には

・マンション建物構造体に影響を及ぼす専有部内の増改築

・マンション専有部内に危険物、重量物の搬入

・電気ガス水道、排水に影響ある設備の変更

・カラオケ騒音

・床のフローリング騒音

・ペット飼育規約違反

・外壁、バルコニー改造

・著しい管理費延滞

 

条文関連判例骨子
①マンションの外壁にエアコンスリーブ孔を開けた区分所有者に復旧工事請求が認められた。(東京地裁 平成3年3月8日)

②マンションバルコニーに設置されたサンルームは不当使用行為として撤去請求できる。(京都地裁 昭和63年6月16日)

③主たる用途が居住用マンションで1階店舗のカラオケの営業時間が制限される。(東京地裁 平成4年1月30日)

④マンション管理費の延滞金額が長期に及び1348万円の金額となり、期間及び金額の双方において著しいものがあるとして区分所有者の共同の利益に反する行為にあたると認定された。(大阪高裁 平成14年5月16日)

 

条文

(区分所有者の権利義務等)
第六条  区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。

2  区分所有者は、その専有部分又は共用部分を保存し、又は改良するため必要な範囲内において、他の区分所有者の専有部分又は自己の所有に属しない共用部分の使用を請求することができる。この場合において、他の区分所有者が損害を受けたときは、その償金を支払わなければならない。

3  第一項の規定は、区分所有者以外の専有部分の占有者(以下「占有者」という。)に準用する。

区分所有(マンション)法7条1項先取り特権

マンションの区分所有者は、管理費、修繕積立金等の債権を有する場合、債務者の区分所有権及びマンション建物に備えついた動産の上に先取り特権の行使ができます。

先取り特権とは、法律の定める特定の債権を有するものは、債務者の財産につき、他の債権者に優先して自己の債権の弁済を受けることができる法定担保物権です。

 

(区分所有(マンション)法8条 特定承継人の責任

マンションの特定承継人任意売却マンションの買主も該当します。)は、売主が滞納した管理費や公租公課、またはマンションに損害を与えたことによる損害賠償などの債務について、責任を負わなければなりません。なお、マンションの売り主の責任も消滅せずに残ります。また、この責任は善意の者も負うことになります。

 

区分所有(マンション)法9条建物の設置または保存の瑕疵に関する推定

マンションに瑕疵があることにより他人に損害が生じたときは、その瑕疵は、マンション共用部分の設置または保存にあるものと推定されます。

マンション瑕疵が、共用部分か専有部分か不明瞭な場合、マンション共用部分の瑕疵とされ、区分所有者全員が共同して損害賠償責任を負います。

マンションでは瑕疵の存在箇所を特定できない場合が多く、被害者保護のためとなっています。

なお、マンションの瑕疵が専有部分に原因が分かれば、その専有部分の所有者または占有者が民法上の土地工作物責任を負います。

 

区分所有(マンション)法10条 区分所有権売り渡し請求権

マンションの専有部分と敷地利用権が分離して処分された場合や、賃料の未払いなどで敷地利用権を失ってしまった場合、敷地の所有者など権利の有する者は、そのマンションに関する権利(区分所有権)を時価で売り渡すよう請求できます。

敷地利用権のない区分所有者は、専有部分を取り壊し収去しなければならないことになりますが、現実的ではないので、売り渡し請求権が認められます。

この売り渡し請求権は一方的意思表示により行使することができ、マンション売買契約が成立する形成権となります。

 

▲このページのトップに戻る

区分所有法(第11条)共用部分の共有関係

共用部分はマンション全員で共同使用するものですから、規約で別段の定めがない場合には、マンション区分所有者全員で共有することになります。

また、一部の区分所有者のみで利用する一部共用部分もその利用する区分所有者の共有となります。これについても規約で別段の定めができます。(2項)

 

(共用部分の共有関係)
第十一条  共用部分は、区分所有者全員の共有に属する。ただし、一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者の共有に属する。

2  前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。ただし、第二十七条第一項の場合を除いて、区分所有者以外の者を共用部分の所有者と定めることはできない。

3  民法第百七十七条 の規定は、共用部分には適用しない。

 

注・・・民法第177条(不動産に関する物権の変動の対抗要件)

不動産に関する物件の得喪及び変更は不動産登記法その他の登記に関する法律の定めによるところに従いその登記をしなければ、第3者に対抗できない。

 

区分所有法第12条 (共用部分の使用)第13条

各共有者は、共用部分をその用法に従って使用することが出来ます。持ち分は関係ありません。これは強硬規定ですから規約での別段の定めは出来ませんし、規約で共用部分の使用を禁止することは出来ません。

尚、民法においては、その持ち分に応じて使用できるとされています。(民法第249条

 

第十二条  共用部分が区分所有者の全員又はその一部の共有に属する場合には、その共用部分の共有については、次条から第十九条までに定めるところによる。

(共用部分の使用)

第十三条  各共有者は、共用部分をその用方に従つて使用することができる。

区分所有(マンション)法第14条

 

マンション専有部分の床面積は、壁そのほかの区画の内側の囲まれた部分の水平投影面積によります。
つまり内法(うちのり)計算で行います。マンションの規約で別段の定めができます

マンション区分所有法では
(共用部分の持分の割合)
第十四条  各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による。

2  前項の場合において、一部共用部分(附属の建物であるものを除く。)で床面積を有するものがあるときは、その一部共用部分の床面積は、これを共用すべき各区分所有者の専有部分の床面積の割合により配分して、それぞれその区分所有者の専有部分の床面積に算入するものとする。

3  前二項の床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積による。

4  前三項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。

マンション標準管理規約では
(専有部分の範囲)
第7条  対象物件のうち区分所有権の対象となる専有部分は、住戸番号を付した住戸とする。

2 前項の専有部分を他から区分する構造物の帰属については、次のとおりとする。

一 天井、床及び壁は、躯体部分を除く部分を専有部分とする。

二 玄関扉は、錠及び内部塗装部分を専有部分とする。

三 窓枠及び窓ガラスは、専有部分に含まれないものとする。

3 第1項又は前項の専有部分の専用に供される設備のうち共用部分内にある部分以外のものは、専有部分とする。

 

マンションの共用部分の持ち分割合は、マンション各区分所有者が所有する専有部分の床面積によります。ただし、規約で別段の取り決めができます。たとえば、床面積ではなく、専有部分の価格又は、一律とすることも可能です。

区分所有(マンション)法第15条1項共用部分の持ち分の処分

マンションの共用部分の持ち分は、マンション専有部分の処分に従うとされています。専有部分を譲渡すれば、共用部分の持ち分も譲渡されます。
マンションを購入しても、共用部分、廊下、階段が利用できないと購入する意味がありませんし、逆に、廊下階段だけが譲渡されても管理に支障をきたします。このようにマンション共用部分と、マンション専有部分の持ち分の分離処分は出来ません。
但し、以下の例外があります。
①マンション管理規約で共有持ち分割合を変更した場合
敷地利用権は「規約」で分離処分が可能にすることができます。
②管理所有の場合

 

区分所有法 第16条(一部共用部分の管理)

マンションの一部共用部分は、これを共用する区分所有者の共有に属し、その共有する区分所有者が管理します。但し、以下のいずれかの場合には、マンション全体の区分所有者で、一部共用部分を管理します。

①マンション区分所有者全員の利害に関するもの

②マンション規約設定で、当該一部区分所有者の4分の1を超える反対がない場合

 

(一部共用部分の管理)
第十六条  一部共用部分の管理のうち、区分所有者全員の利害に関係するもの又は第三十一条第二項の規約に定めがあるものは区分所有者全員で、その他のものはこれを共用すべき区分所有者のみで行う。

区分所有法 第17条(共用部分の変更)

マンションの共用部分を変更する場合には、マンション区分所有者及び議決権の4分の3以上の賛成が必要です。この4分の3の定数は、規約で過半数まで減ずることが出来ます。

また、マンション共用部分の変更において、専有部分の使用に特別の影響がある場合には、その専有部分の区分所有者の承諾が必要となりなす。

尚、民法(第251条 共有物の変更)では、共有者全員の同意を必要とします。

 

(共用部分の変更)
第十七条  共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で決する。ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。

2  前項の場合において、共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは、その専有部分の所有者の承諾を得なければならない。

区分所有法 第18条(共用部分の管理)

保存行為は、マンション共用部分の管理に関して現状を維持する行為で、マンション区分所有者が単独で行うことが出来ます。これは、規約で別段の定めが出来ます。

尚、マンション共用部分の管理には

①保存行為

②管理行為

③変更行為(軽微な変更、重大変更)

があります。

 

(共用部分の管理)
第十八条  共用部分の管理に関する事項は、前条の場合を除いて、集会の決議で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。

2  前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。

3  前条第二項の規定は、第一項本文の場合に準用する。

4  共用部分につき損害保険契約をすることは、共用部分の管理に関する事項とみなす。

区分所有法 第19条(共用部分の負担及び利益収取)

マンションの各共有者は、規約に別段の定めがない限りは専有部分の床面積の割合により、共用部分の負担をして、また共用部分より生ずる利益をうけることが出来ます。

 

関連判例骨子
①未分譲の管理費負担は、その所有する分譲会社が管理費等の支払い義務がある。(東京地裁 平成2年10月26日)

②管理費負担額において合理的な理由も無く個人所有組合員と法人所有組合員との1.7倍とした管理費格差は民法第90条(公序良俗)反して無効とされた。(東京地裁 平成2年7月24日)

 

(共用部分の負担及び利益収取)
第十九条  各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分に応じて、共用部分の負担に任じ、共用部分から生ずる利益を収取する。

区分所有法 第20条(管理所有者の権限)

規約において、マンションの共用部分を①特定の区分所有者、②管理者の所有とすることが出来ます。

「管理所有」あまり一般的ではありませんが、リゾートマンションなど遠隔地で、共用部分の管理を管理所有者に行わせることにより、保存行為は当然のことですが、管理行為も管理者の単独の判断で行うことが出来ますから、いちいち集会を開催して決議する手間が省けます。ただし、重大変更を伴う管理行為を行うことは出来ません。

 

(管理所有者の権限)

第二十条  第十一条第二項の規定により規約で共用部分の所有者と定められた区分所有者は、区分所有者全員(一部共用部分については、これを共用すべき区分所有者)のためにその共用部分を管理する義務を負う。この場合には、それらの区分所有者に対し、相当な管理費用を請求することができる。

2  前項の共用部分の所有者は、第十七条第一項に規定する共用部分の変更をすることができない。

区分所有法 第21条(共用部分に関する規定の準用)

マンションの敷地、附属施設(マンションの建物とは別棟の物置、ゴミ置き場)がマンション区分所有者の共有に属する場合には「保存行為」「管理行為」「変更行為」「損害保険」「費用の負担」が準用されます。

但し、持ち分割合の規定は準用されません。これらの持ち分に関しては民法の規定が適用されます。これは区分所有法は、「区分建物」を定めた法律ですから、土地、附属施設の持ち分に関しては民法が適用されます。

 

(共用部分に関する規定の準用)
第二十一条  建物の敷地又は共用部分以外の附属施設(これらに関する権利を含む。)が区分所有者の共有に属する場合には、第十七条から第一八条第十九条までの規定は、その敷地又は附属施設に準用する。

区分所有(マンション)法22条1項敷地利用権の分離処分の禁止

マンションの敷地利用権は、原則として自分の所有するマンション専有部分と分離して処分することはできません。マンション専有部分だけを売買したり、マンション専有部分だけに抵当権などを設定することはできません。ただし、全ての敷地利用権が分離処分の禁止の対象となるものでもありません。対象となるのは以下の場合です。

①敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合。

一般的なマンションが該当します。

②建物の専有部分の全部を所有するものの敷地利用権が単独で有する所有権その他の権利である場合。

ンションデベロッパーがこれから分譲する場合が該当します。

 

分離処分の禁止の例外

マンション専有部分とマンション敷地利用権を分離処分できず、一体として扱われますが、規約で別段の定めをすることができます。

例えば、マンションを増築して、増築部分の所有者に敷地利用権を分与する場合に分離処分が必要になります。

尚、不動産登記法44では、登記されたマンション敷地利用権は「マンション敷地権」となり、マンション管理規約で分離処分はすることができません。

ちょっと解りずらいのでまとめますと

  • マンションの敷地が未登記で「敷地利用権」の場合

敷地利用権は原則分離処分ができません。ただし、規約で分離処分できるよう取り決めることもできます。

  • マンションの敷地が登記され「敷地権」の場合

不動産登記法44条の定めにより「敷地権」は分離処分できず、規約に定めることもできません。

 

区分所有法 第23条(分離処分の無効の主張の制限)

まず、敷地利用権と敷地権の違いを理解しなければなりません。敷地権は敷地利用権であることを登記したものであり、第3者が登記簿謄本での確認が出来ることができます。

敷地利用権の状況で、分離処分が無効であることを①善意・無過失で、②敷地権登記前である場合で、取り引きした相手方は、分離処分禁止に反する行為でも有効tなります。

 

(分離処分の無効の主張の制限)
第二十三条  前条第一項本文(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定に違反する専有部分又は敷地利用権の処分については、その無効を善意の相手方に主張することができない。ただし、不動産登記法 (平成十六年法律第百二十三号)の定めるところにより分離して処分することができない専有部分及び敷地利用権であることを登記した後に、その処分がされたときは、この限りでない。

区分所有(マンション)法24条民法255条の適用除外

民法255では、マンションの共有者が持ち分の放棄、または死亡(相続人無し)の場合、そのマンションの持ち分は他の共有者に帰属します。また、民法239条2項では無主のマンション、不動産は、国庫に帰属します。

つまり、マンションの場合

専有部分・・・>国庫へ

敷地利用権・・・>他のマンション共有者

マンション敷地利用権とマンション専有部分の分離処分の原則に反することになります。そこで、敷地利用権については民法255は適用されず、マンション敷地利用権はマンション専有部分と分離されず一体で国庫に帰属することになりました。

 

区分所有法 第25条(選任及び解任)

管理者(一般的には理事長)の選任及び解任は規約に別段の定めがない場合には集会(総会)の普通決議で行えます。

管理者に不正な行為(詐欺、横領等)、職務を行うに適しない事情(病気等)がある場合には、マンションの各区分所有者は単独で裁判所に解任請求が出来ます。

 

(選任及び解任)
第二十五条  区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によつて、管理者を選任し、又は解任することができる。

2  管理者に不正な行為その他その職務を行うに適しない事情があるときは、各区分所有者は、その解任を裁判所に請求することができる。

区分所有法 第26条(権限)

マンションの管理者(一般のマンションでは理事長が該当)は、マンションの共用部分、敷地、附属施設の保存し、集会で決議又は規約で定めた行為を行う権利を有します。また、義務も負います。

管理者は、職務に関して区分所有者を代理する権限を有します。区分所有者を代理した法律行為の効果は区分所有者全員に帰属することになります。

また、管理者は規約又は集会の決議により、その職務に関し区分所有者のために原告又は被告となることが出来ます(訴訟追行権)。

 

(権限)
第二十六条  管理者は、共用部分並びに第二十一条に規定する場合における当該建物の敷地及び附属施設(次項及び第四十七条第六項において「共用部分等」という。)を保存し、集会の決議を実行し、並びに規約で定めた行為をする権利を有し、義務を負う。

2  管理者は、その職務に関し、区分所有者を代理する。第十八条第四項(第二十一条において準用する場合を含む。)の規定による損害保険契約に基づく保険金額並びに共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金の請求及び受領についても、同様とする。

3  管理者の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。

4  管理者は、規約又は集会の決議により、その職務(第二項後段に規定する事項を含む。)に関し、区分所有者のために、原告又は被告となることができる。

5  管理者は、前項の規約により原告又は被告となつたときは、遅滞なく、区分所有者にその旨を通知しなければならない。この場合には、第三十五条第二項から第四項までの規定を準用する。

管理所有 第二十七条

 

(管理所有)
第二十七条  管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。

2  第六条第二項及び第二十条の規定は、前項の場合に準用する。

区分所有法 第28条(委任の規定の準用)

マンションの管理者は以下の民法に定める委任の規定に従います。

①善管注意義務・・管理者としての職務につき善良なる注意義務を負います。(民法第644条

②受領物の引き渡し義務・・管理者が区分所有者のために取得した権利は、区分所有者に移転しなければなりません。(民法第646条)

③報酬請求権・・原則無報酬ですが、特約で報酬請求することが出来ます。(民法第648条)

④費用前払い請求権・・管理事務に必要な費用は前払いを請求できます。(民法第649条)

⑤費用償還請求権・・管理者が用立てた管理事務費用の償還請求ができます。(民法第650条)

⑥代物弁済・担保提供請求・・委任者(マンション管理組合)は委任事務処理に必要な債務の弁済担保提供義務を負います。(民法第650条2項)

⑦損害賠償義務・・受任者(管理者)は、委任事務処理に、自己に過失なく損害を被った時は、委任者(マンション管理組合)に対して賠償請求できます。(民法第650条3項)

⑧解除の不遡及・・委任契約はいつでも解除でき、その効果は遡及しません。(民法第652条)

 

(委任の規定の準用)
第二十八条  この法律及び規約に定めるもののほか、管理者の権利義務は、委任に関する規定に従う。

区分所有法 第29条(区分所有者の責任等)

マンション管理者がその職務の範囲内において第3者とした行為は、マンション区分所有者はその持ち分における割合で負担しなければなりません。尚、この負担割合は規約で別段の定めが出来ます。

また、上記による債権は、その特定承継人(通常売却、任意売却、競売により取得した人)に継承されます。

 

(区分所有者の責任等)
第二十九条  管理者がその職務の範囲内において第三者との間にした行為につき区分所有者がその責めに任ずべき割合は、第十四条に定める割合と同一の割合とする。ただし、規約で建物並びにその敷地及び附属施設の管理に要する経費につき負担の割合が定められているときは、その割合による。

2  前項の行為により第三者が区分所有者に対して有する債権は、その特定承継人に対しても行うことができる。

区分所有法 第30条(規約事項)

マンションの管理については区分所有法で定められているほか、マンション管理規約で定めることもできます。

一部共用部分に関しても、区分所有者全員の利害に関係しないものは、区分所有者全員での規約に定めがある場合を除いて、一部共用部分の区分所有者で規約の定めが出来ます。

尚、平成14年に第3項が新たに付け加えられました。分譲時に作成された規約又はマンション管理組合独自に作成された規約を原因とするトラブル、裁判が多発し、衡平でないマンション管理規約は無効であるとするべく、規約作成、変更において「これらの形状、面積、位置関係、使用目的及び利用状況並びに区分所有者が支払つた対価その他の事情を総合的に考慮して、区分所有者間の利害の衡平が図られるように定めなければならない」と定められました。

この条項に反する規約は無効となり、強行規定ですから当然に遡及することになります。

ですから、現マンションでこの条項に反する規約で定められていることを、漫然と運営してると、将来に無効を訴えられた場合に対抗出来ないことになります。その場合の損失は計り知れなくなる可能性もあります。

 

(規約事項)
第三十条  建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項は、この法律に定めるもののほか、規約で定めることができる。

2  一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものは、区分所有者全員の規約に定めがある場合を除いて、これを共用すべき区分所有者の規約で定めることができる。

3  前二項に規定する規約は、専有部分若しくは共用部分又は建物の敷地若しくは附属施設(建物の敷地又は附属施設に関する権利を含む。)につき、これらの形状、面積、位置関係、使用目的及び利用状況並びに区分所有者が支払つた対価その他の事情を総合的に考慮して、区分所有者間の利害の衡平が図られるように定めなければならない。

4  第一項及び第二項の場合には、区分所有者以外の者の権利を害することができない。

5  規約は、書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)により、これを作成しなければならない。

区分所有法 第31条(規約の設定、変更及び廃止)

マンション管理規約の設定又は変更する場合は、マンション区分所有者及び議決権の各4分の3以上の決議が必要となります。また、その際にその規約に特別の影響を及ぼす時はその区分所有者の承諾が必要となります。

この「特別の影響」について具体的には

参考判例1 マンション規約の変更が一部の区分所有者に特別の影響を及ぼす場合、規約変更は無効

参考判例2 マンションの不在組合員に2500円の住民活動協力金の支払い義務は特別の影響を及ぼすものではない

その他

③ペット飼育禁止規約は、ペットを飼育している者に特別の影響は無い。

④駐車場使用料金増額は、社会通念上相当であると認められるときは、使用料増額規約変更は特別の影響を及ぼすといえない。

⑤複合用途型マンションで、用途を居住目的以外禁止する旨の規約設定は特別の影響を及ぼすといえる。

 

(規約の設定、変更及び廃止)
第三十一条  規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によつてする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。

2  前条第二項に規定する事項についての区分所有者全員の規約の設定、変更又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の四分の一を超える者又はその議決権の四分の一を超える議決権を有する者が反対したときは、することができない。
スポンサードリンク


PAGETOP
Copyright © 任意売却相談室 All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.