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危険負担(第534条)

危険負担とは、双務契約において、双方の責めに帰す事由がないにもかかわらず、消滅した場合のリスクをどう負担するのか、の問題です。

①債務者主義・・債務者がリスク負担
②債権者主義・・債権者がリスク負担
民法では、債権者主義となるのは「特定物に関する物件の移転や設定を目的とする双務契約の場合」とされています。民法に定める具体例としては、建物が不可抗力で滅失した場合、反対債務つまり、代金支払い義務は存続します。債権者主義の場合、買主は建物が無くなったうえに、代金も支払わなければなりません。天災・地変、不動産・マンションの取引においては 起こり得ます。民法の考え方は、特定物(マンション等。建物)の売買は、所有権は契約の時に移転する。つまり、引き渡しの時ではありません。ですから、所有者(買主)が危険負担する。という解釈されます。

実際の不動産・マンションの売買契約においては、天災地変、不可抗力のため、引き渡し不可能になった場合には、白紙解除とされます。

(引渡し前の滅失・毀損)

第15条  本物件の引渡し前に、天災地変その他売主又は買主のいずれの責にも帰すことのできない事由によって本物件が滅失したときは、買主は、この契約を解除することができる。

2  本物件の引渡し前に、前項の事由によって本物件が毀損したときは、売主は、本物件を修復して買主に引渡すものとする。この場合、売主の誠実な修復行為によって引渡しが標記の期日(C)を超えても、買主は、売主に対し、その引渡し延期について異議を述べることはできない。

3  売主は、前項の修復が著しく困難なとき、又は過大な費用を要するときは、この契約を解除することができるものとし、買主は、本物件の毀損により契約の目的が達せられないときは、この契約を解除することができる。

4  第1項又は前項によってこの契約が解除された場合、売主は、受領済の金員を無利息で遅滞なく買主に返還しなければならない。

 

民法条文

第534条 特定物に関する物権の設定又は移転を双務契約の目的とした場合において、その物が債務者の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は損傷したときは、その滅失又は損傷は、債権者の負担に帰する。

2、不特定物に関する契約については、第401条第二項の規定によりその物が確定した時から、前項の規定を適用する。