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開け渡しの正当事由

借地借家権の期間が満了した場合に、土地又は建物所有者がその契約の更新を拒むことができるとされること。

貸主が自ら使用する必要があることのみならず、貸主・借主双方の事情を比較考量し、正当事由の判断の基礎とされます。→借地明け渡し正当事由

耐震性に問題のある賃貸マンションの建て替えは、賃借人の明け渡しの正当な理由として認められた事例

東京地裁立川支部平成25年3月28日判決
概要:大規模賃貸マンション、昭和46年築、地上11階、200戸

本件マンションは、耐震診断の結果、所要の耐震性を満たしておらず、地震の振動及び衝撃に対して倒壊又は崩壊する危険性が高いと判断された。マンション家主は耐震改修を断念し、建て替えを決定した。200戸の賃借人のうち、数戸の被告らと話し合いがつかなかった。

マンション家主は、マンションの賃貸借契約を終了し更新拒絶た。そして、建物の明け渡し、及びそれまでに至るまでの約定損害金額の支払いを求め提訴した。

裁判所の判断
・200戸のほとんどの賃借人が移転先の確保、移転費用の補てんが十分配慮されていること。
・マンション家主が、耐震性に問題のあるマンションを除去せざるをえないとした判断は合理性が認められる。

その他の耐震性に関して正当事由が認められた判例
②東京地裁平成24・11・1判決、③東京地裁平成21・3・10判決